師走の東京(就職氷河期世代支援について)

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先日、久しぶりに見た、びわ湖はすごく綺麗でした。


初夏5月。なにもベースがないところから、ひとり東京で仕事と生活を始めました。
約8年ぶりに公職から外れて完全民間の立場で仕事をしてきて、どうなるものかと思っていましたが、捨てる神あれば拾う神あり。一人暮らし当初は体調不良に悩みましたが、おかげさまで、自分が思っていた以上に順調に仕事をすることができています。

これもひとえに東京に来てお世話になっている皆様のおかげであり、また私の挑戦に理解をしてくれている家族のお蔭です。さらには8年間の議員活動の中でお世話になってきた皆様、期待をしていて頂いてきた皆様のためにも、東京に来てヘタるわけにはいかないという想いを持たせてくれた大津の皆様のおかげでもあります。

この間、参議院選挙があり、また大津市と京都市の市長選挙も年明けに行われます。私にとって現職市長が辞めて、新人同士で選挙をするという戦いになることは想定外でしたが、正直、大津市的にも、越市長的にも、また行政的にもあらゆる点で限界に達していたので、辞めること自体はいいことだと思います。越市長8年間の中で今回の引退という判断はもっとも評価してもいいのかもしれません。
越市長の後継者として立候補しようとしている小西さんとは今年9月たまたま東京でお会いしたのですが、憔悴しきった感じでした。「みなさん理解してくれないんですよ。藤井さんも知ってるでしょ、私の親父がバリバリの自民党で。すきでこんなことやっているわけないじゃないですか」と。そこならなぜこのような立候補の意向に傾いたのかは全く分かりませんがいろいろあったんでしょう。
東京にいる私が言うのも筋違いかもしれませんが、市長選挙は首長を選ぶ選挙でありますが、それぞれの候補が当選した場合を想定して、議会との権力構造も合わせて、どのような自治体であってほしいかを考えて、個々の投票をして頂きたいと念じています。


さて、私の挑戦はいま正に佳境を迎えていると言っても過言ではありません。
盛んに報道されている通り、「就職氷河期世代の活躍支援」が政府・中央府庁で熱く議論されている真っ最中です。

厚生労働省の方々や関心高い国会議員の皆様とも意見交換を重ねており、その都度、現在の政策立案の状態や今後の方向性について教えて頂いております。また、どれだけ影響があるかは分かりませんが、自分の考えや政策提言もその場でさせて頂いております。
すでに大阪府や熊本県、愛知県、沖縄県などでモデル事業がはじめられ、宝塚市はじめ多くの基礎自治体で当該世代を対象とした採用がなされています。来年度からは本格的に事業展開が全国規模で始まります。私にとっての最後の議会(本年2月通常会議)で、就職氷河期世代の積極支援を取り上げました。越市長はほとんど前向きな答弁をしませんでしたが、国や全国の関心ある自治体ではすでに動き始めています。
是非、滋賀県や大津市でも、前向きに就職氷河期世代支援に取り組まれることを願ってやみません。

私がなぜここまで就職氷河期世代支援にこだわるのか。それは自分自身がそうした立場にいる方々と接してきたからです。議員になる前は、今も代表である会社経営者として、若年者向けの就労支援事業に携わってきました。また、私自身がそうした立場にいる方々の想いを知ろうと、敢えて様々なところで働かせて頂いてきました。朝4時から弁当工場で働くシングルマザーの人たち、クリーニング工場ですごい重労働で時給800円で働く若者たち、飲食店で仕込から働きながら昼は正社員を目指してスクールに通う人たち。いろいろな人を見て、そして話を聞いてきました。今もなお、私の脳裏にはそうした人たちの姿が残っています。なんとかしたいんです。これまで関わってきた方たちの顔が浮かんできます。

就労支援の現場での経験、自治体における施策を見てきた経験、そして今、東京で新たに形成しつつある素晴らしい人的ネットワーク。永田町・霞が関で行われている政策形成プロセスの中で全方位で動き回りたいと思っています。きっと私でしかできないことがあると感じています。

このほか、企業の人事労務担当者向けに出されている雑誌「人事実務2019年12月号」(産労総合研究所)に、「就職氷河期世代を戦力化する人事実務、マネジメント」という寄稿をさせて頂きました。私の前に小杉礼子先生が就職氷河期世代を統計的に捉える寄稿をされ取り、それに続いて、実務的にどのような点に注意して、企業人事担当者は就職氷河期世代を迎え入れればよいのかを、述べさせて頂いております。

 


国や自治体がいくら笛吹けど、実際に労働者として受け入れる企業がその気にならねば、この就職氷河期世代支援は全く実効性を伴いません。予算をつけたからといっても、やはり氷河期世代の所得向上や雇用改善には民間の力が必須です。そうした点で官民連携のスキームで取り組もうとする府庁関係者の方向性は良いと思います。
一方で、企業側には就職氷河期世代を受け入れた経験がなければ、世の中にもそうした知見がほとんど蓄積・共有されていないのが現状です。今回の寄稿文は、そうした知見の先鞭をつけるべく、私のこれまでの経験を結集して書き上げたものです。著作権の関係でここで共有することができませんが、図書館などでぜひご覧頂ければ幸いです。

自分自身が考える就職氷河期世代の活躍支援施策における提案を一旦、まとめました。
地方創生交付金のような比較的自由に政策立案に活用でき、地方の独自性に即した交付金が必要だと思っています。いまは自治体の政策としては、自治体として当該世代を採用することが報道されていますが、それではたった数人の採用しか生むことができません。そうではなくて、その地方独自の施策・制度を設けて、自治体と民間企業が協力し合えば、数十人、数百人の当該世代の採用や活躍につなげられると思います。




私なりに使命感を持ち、この問題に取り組み、納得できるような成果を出したいと思っています。



(7歳になった息子に撮ってもらいました)


藤井哲也





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