変わってほしい大津市議会。恫喝ヤジが飛んだ本会議での議案討論。

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 市議会議員選挙が始まりました。今回は49名の志を持った方々が立候補をされたということ。人生をかけてチャレンジされる皆様に敬意を持ちます。各陣営の皆様の活動が実を結ぶことを願っています。

 さて。市議会2月通常会議における予算議案についてご報告を忘れておりました。
 議案採決に先立ち討論を行いましたのでご報告申し上げます。
 「議案討論」とは議員に対して行うものです。これまで「湖誠会」と「市民ネット21」が行ってきた討論と両会派が採ろうとしている態度(議案に賛成)との整合性に疑問を投げかけました。

 討論後、最大会派湖誠会の竹内照夫幹事長から、「補正(予算)は出てるんかぁ。補正(予算)は!!あぁぁ!!」と恫喝ヤジを頂きました。またその後の全議員記念撮影会も竹内議員はなぜか急遽不参加。行動が本当に不思議です。
 一連の言動は大津市議会の議員として、ましてや最大会派の幹事長として恥ずべき態度だなと感じました。これが大津市議会の組織風土なのかと悲しくなります。




 以下が私の討論内容です。
 またこの議案討論から数日後にわたしの討論が正しかったことを裏付ける報告が行政からなされました。

 しっかり政務調査、議案審議をしていればすぐに分かるような執行部の問題にも気付けない大津市議会(気づいていても市長に気を使っているだけなのかもしれませんが)。執行機関の言うことを鵜呑みにしていては市民の信頼を失うばかりだと思います。そのことを討論では述べさせて頂きました。
 つぎの大津市議会メンバーには、さらに議案審議力に磨きをかけ、議会に求められている市政監視の役割を果たしてほしいと痛切に感じています。


 * * *

 議案第1号「平成31年度 大津市一般会計予算」に対して、以下の理由で反対すべきであるため討論します。

 先に行われた予算常任委員会における審査では、所管課が予算要求し復活要求も行った「和邇市民体育館 耐震改修工事」に要する3078万1千円が、二役によりゼロ査定となったことが明らかになりました。
 和邇市民体育館は、昨年行われた大津市原子力災害避難訓練の主会場としてスクリーニング訓練等も実施されたように、大津北部地域における防災上の拠点でもあり災害時には805名を屋内収容できる指定緊急避難所にもなっているのは周知の通りであります。

 平成29年3月、滋賀県建築士事務所協会が判定を行った耐震診断結果によれば、和邇市民体育館はIS値が0.14となっており、震度6以上の地震によって、「倒壊、又は崩壊する危険性が高い」とされる施設であることが明らかになりました。ご存知の通り、IS値は0.6以上ある必要があり、特に0.3未満であれば数値が低ければ低いほど倒壊・崩壊の可能性が統計的に高くなっています。
 同時に行われた実施設計に基づく耐震改修後のシミュレーションでは、IS値は0.79となっており、基準値をクリアすることになります。今回、二役査定により削られた3000万円余りの予算は、当該施設の耐震基準を満たすための工事費でありました。

 委員会審査において、和邇市民体育館の耐震改修の必要性を問うたところ、「防災上、避難所ともなっており、財源を含めて、できるだけ早期の耐震を進めていきたい」との説明がありました。所管課としては防災上、耐震改修の必要性を認識した上で、復活要求までして予算を求めているものであるが、市長が当該予算を認めなかったということでした。

 確かに財政が潤沢にあるわけでないことは分かりますが、市民の皆様の生命や安全にかかわる事業については、最優先で予算を編成すべきであると私は考えます。
 目下、南海トラフ沖地震は10年内発生確率が20~30%となっており、この場合、和邇一帯は震度5強が予想されています。また和邇一帯で震度6以上が想定されている琵琶湖西岸断層帯地震は30年内に1~3%となっていますが、熊本地震が同様に発生確率が1~3%であったことを踏まえると、確率は低くとも、明日大震災が来ても市民の皆様の生命や生活を守るために、万全の対策を講じておかなければならないのではないかと考えます。それこそが行政の責務であり、議会が果たさねばならない監視機能ではないかと考えるのです。

 仮に本予算案を原案通り議決することによって、議会も執行部と発災時の施設倒壊に伴う責任を共有することになりますが、私は、「議会は市民の生命や安全を最優先に考え、財政調整基金等を活用して当該施設の耐震化を進めなければならないという考え」を市長に対し、そして市民に対して明確に示すべきだと考えます。

 また、本予算案には、地方独立行政法人市立大津市民病院の安定的な運営を維持することができる財政基盤を確立するため、に中期計画を踏まえた最低限必要となる繰出金が措置されていないと審査を通じて評価いたしました。
 平成31年度における市民病院運営費負担金は、健康保険部からの予算要求額15億円に対して査定では9億5200万円の措置に留まっており、差し引き5億4800万円が年度途中で不足することが考えられます。特に、退職給付引当金に要する経費約6億円はゼロ査定となっており、経営改善の兆しが見えるとはいうものの、現在の手元資金の状況を踏まえると、たちまち現金不足が生じる可能性があると言えます。
 措置された9億5200万円の根拠は基準財政需要額に定められた額であり、現下の市民病院の状況を踏まえたものとなっておらず机上の空論と言っても過言ではありません。
 
 この間、湖誠会及び市民ネット21は、会派を代表しての討論で、「総計予算主義の原則」に従って、現在の大津市の予算編成のあり方に対して幾度となく苦言を呈してきたはずです。
 あらためて過去、行ってこられた討論を紹介させて頂きたいと思います。

 ちょうど一年前の平成30年2月通常会議における湖誠会の討論。
 「新年度予算は総計予算主義の原則に基づき、その年の歳入歳出の総額を計上するものです。しかし、いくつかの予算常任委員会分科会で、この予算措置で市民の要望に対応できるのかという委員会の質問に対して、年間予算の措置額の不足を認識し、補正予算ありきの答弁がありましたし、湖誠会の代表質問で独立行政法人市立市民病院への支援についても、当初予算案には必要な額が組み込まれておらず、ただしたところであります。これは、総計予算主義の原則から逸脱したものであり、地方自治法、地方財政法に照らしても補正予算ありきで当初予算を低く抑える手法は、著しく不適当であり、中期財政フレームそのものの信頼性も疑われるものとなります。さらに、予算常任委員会の各分科会での審議や全体会での採決の意義すら問われかねない議会軽視ともとれる大きな問題で、最大会派の湖誠会として厳しく改善を求めます。」

 続いて、昨年11月通常会議における市民ネット21の討論。
 「総計予算主義の観点からも、しっかりとした見積もりの上で必要とわかっている予算については、当初予算でしっかりつけることが肝要であると考えます。当初予算を抑えることは、一見財政上の取り組みとして見ばえがよくなりますが、庁内では予算が補正までおりてこない弊害もあり得ます。先ほどの障害福祉サービス費でも受給者の抑制にもつながり得ると考えますし、それ以外、特に契約に関わる事業については深刻な影響を及ぼし、当初予算が不十分なことが非効率的な分割した契約にもつながり得ると考えます。市役所内において事業を行うことへの足かせとなり得るだけでなく、市民の税金が効率的に使えないことにもつながり得ると言えます。次期当初予算においては、中期財政フレームを意識しながらも必要な予算額を適正に見積もることに最大限尽力すべきと考えます。執行部において透明性を高め、必要なところに必要な配分をした当初予算をつくることを強く申し添え、議案第133号に対する賛成討論といたします。」

 両会派とも総計予算主義の観点から、必要な予算を計上すべきとし、執行機関に対して今後の改善を強く述べておられます。それならば、今回の予算案は反対じゃないんですか?このままでは、5月の召集会議か6月通常会議で、補正予算を審議することになるはずです。

 言っていることと、やっていることが違うのであれば、市議会全体が市民から信頼を得る事ができないと考えます。

 以上、討論とさせて頂きます。


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 この討論から約2週間後の4月2日に大津市議会に「平成31年度 市立市民病院計画」が報告されました。 
 その中に書かれている“キャッシュフロー計画(資金計画)”には、運営費負担金による収入が「24億円」とあります。




 (あれっ!! ) 当初予算で示された運営負担額は9億5200万円・・・。だけど計画に示されている額は24億円!? 「湖誠会」や「市民ネット21」の方々はどのように思っておられるんでしょうか? ?

 正論がなかなか理解されない大津市議会。
 私は大津市を覆っている権力構造がその背景にあると考えています。その権力構造を変えようという強い意思を持った候補に、今回の大津市議会議員選挙では勝ち上がって頂きたいと思っています。


フジイテツヤ
 



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