議会閉会。防災対策委員長として最後の仕事。

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 大津市議会2月通常会議が20日に閉会しました。
 次年度予算案を中心に審議ボリュームが多い議会でした。
 予算案、重要議案に対する私なりの判断については改めて記載します。

 今年度は議員活動8年間で初めて委員長を務めさせて頂きました。
 委員長や副委員長などの議会内ポストは、「ドント方式」によって大津市議会の場合、枠取りがされることになっており、大会派ほど多くのポストが割り当てられます。私が昨年秋まで所属していた会派は3人の少数会派で、正副委員長のうち1ポストしか割り当てがありませんでした。

 これまで谷議員が防災対策特別委員会の委員長として2年間務めてこられていましたが、昨年春に会派内で協議をし、今任期を一つの区切りとしたい想いを述べさせて頂き、少数会派に割り当てられている貴重な1枠を預かり、防災対策特別委員会の委員長にならせて頂きました。谷議員と山本議員には無理を言って期数が浅い私に議会内ポストを譲って頂いたことに感謝の気持ちです。

 以下、防災対策特別委員長として本会議場で述べさせて頂きました「委員長報告」です。
 およそ一年間の活動内容を述べさせて頂き、執行部(市長ら)に対して、委員会を代表して意見を述べさせて頂きました。




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防災対策特別委員会 終了報告

 当委員会は、防災、危機管理対策に関する諸問題を調査するため、平成28年5月の招集会議において設置され、今年度は、地域防災力を高めるための調査に重点を置き、学区単位で策定作業が進められている地区防災計画をはじめとする地域防災の取り組みや、近年頻発している自然災害の被害状況とその後の対策、避難所運営・要支援者の支援体制などの諸課題について、さまざまな観点から調査・研究を行いましたので、その概要を報告いたします。
 大規模災害時には、行政も大きな被害を受け、公助に限界が生じることも想定されることから、避難所運営や要支援者支援などは自助・共助が果たす役割も大変重要であり、本市においては全学区での地区防災計画や避難所運営マニュアルの策定が喫緊の課題となっています。

 昨年5月の委員会では、平成32年度(2020年度)を期限とする本市総合計画 第1期実行計画に定めている「全36学区での地区防災計画の策定」に向けた各学区の取り組み状況や、策定の障害となっている課題の把握などに努める必要性を委員間で共有しました。
 6月の委員会では、滋賀学区自主防災会の関係者の方々より、すでに策定され運用されている地区防災計画の策定までの経過や当計画の運用事例などについて取り組みの説明を受け、それらを踏まえて、8月に各学区における地区防災計画・避難所運営マニュアルの策定状況や課題及び学区自主防災会の運営における課題などについて、現状を把握するために各委員が分担して地域でのヒアリングを実施、また、ヒアリングに伺えなかった学区についてはアンケート調査を行いました。
 地域での調査を経て開催した9月の委員会では、アンケート調査の集計結果及び、ヒアリングを通じて得た各委員の知見を共有したところです。
 なおアンケート調査結果では、計画策定にあたっての課題として「計画運用に向けた組織体制が不十分」、「計画策定の事務作業が大変」、「自治会未加入者に対する対応が決められない」などが挙げられ、策定の目標期限である平成32年度までに全学区での策定が難しいことがわかりました。
 このほか、山間部地域における孤立化の懸念、集合住宅が増えている地域における自主防災組織のあり方、発災時の防災士の位置づけの明確化の必要性、防災活動に従事する方たちの保険制度の充実などが意見として挙げられました。
 12月の委員会では、これまでの調査や意見交換を通じて、特に重要性が高いと考えた「災害時における自助・共助・公助の役割」、「防災士の位置づけ」、「自治会未加入者への災害時における対応の課題」の3点に絞って執行部から見解を伺うとともに、「避難所運営・要支援者の支援体制」について調査し、これらをもって本報告に含めるべき事項について委員間での意見交換の結果として、以下6点の事項について特に対応を求めたいと思います。



 
 委員会で取りまとめた主な意見は、次の通りです。
 1点目、地域特性を考慮した「地区防災計画」の策定に向けて、行政の個々の地域に対するより一層の支援が求められます。
 2点目、「自助、共助、公助の役割」や「地域防災・災害時における防災士の位置づけ」は、本市が行ったアンケート結果からも、まだ十分に市民に周知・理解されているとは言えない状況にあり、今後、自主防災組織をはじめ市民に対しても丁寧な説明が求められます。
 3点目、大半の学区自主防災組織には自治会未加入者が参画していない状況であることがアンケート調査で明らかになりました。このことは、地区防災計画の運用や地域防災力向上の観点から課題となっています。地域だけでは解決が困難であり、行政と協力して取り組む必要があります。
 4点目、大規模災害では各指定避難所の避難者を受け入れるためのキャパシティが絶対的に不足していることが明らかになりました。学区を越えた広域避難や避難所運営の想定、車中避難者の把握や対応、また避難所となる学校現場との連携などについて、行政や自主防災組織などがそれぞれ担う役割や運営体制を予め協議し明確にしておくべきです。
 5点目、初動支所班に選ばれた本市職員の教育や訓練の一層の充実と、地域住民との日頃からの情報共有、信頼関係の構築を進める必要があります。
 6点目、災害時における要支援者に対する支援体制を強化するために、関係者に対する理解促進を進めるとともに、全学区における避難行動要支援者名簿の地域での活用に向け、関係機関との連携や災害時要支援者名簿の管理体制の構築などの課題を早期に解決する必要があります。
 以上が当委員会で今年度行った地域防災力向上に向けた調査概要と委員による主な意見の集約であります。

 本市では、平成27年3月に制定された議員提案条例である「大津市災害等対策基本条例」で、市民、事業者、市、議会それぞれの責務を明記し、災害及び危機に強いまちづくりの推進を進めています。
 行政におかれては、近年頻発している風水害による被害やいつ何時起こるかもしれない琵琶湖西岸断層帯地震や南海トラフ沖地震に備え、本委員会での調査や提言を受けて平成28年度以降も防災・減災対策に取り組んでおられますが、他方、総合計画に掲げる目標達成に向けて課題が多く残されていることが当委員会の今年度の調査でも明らかになりました。
 つきましては、本委員会で取りまとめた意見を受け止め、市として実効ある防災対策に着実に取り組まれることを期待し、本委員会の終了報告とさせて頂きます。

(以 上)



フジイテツヤ






 

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