支所等の再編実施案について

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 2月1日に「大津市市民センター機能等あり方検討実施案」が公表され、2月4日に市議会議員にも説明がありました。

 これまで1年半に亘り、行政に対して様々な提言や問題指摘を繰り返してきましたが、この度 公表された「実施案」は、大凡わたしが提案してきた内容が含まれており、“ほぼまんま 私が提示していた対案”だと感じています。
 そうした事から「実施案」については、それなりに高く評価しても良いのではないかと考えます。市民の皆様や地域から期待されてきた事柄を実施案として反映することができて、これまでの必死の努力が実を結んで良かったと感じています。










 実施案の概要は、上図の通りです。
 すべての支所は残すことが決まり、その代りに取扱い事務内容や職員配置を見直すことでコスト削減を図るものです。また公民館のコミュニティセンター化に関しても“任意移行”となり、準備が整っていない地域では無理やりコミセン化されることもなくなりました。多くの地域がコミセン化には反対しているものの賛意を示している地域もあるので、今回の任意移行という考え方は良いものだと考えます。
 ➡支所数ではなく支所運営コストが問題だとしたブログ記事
 ➡支所取扱い事務や配置職員、開庁時間の見直しに関するブログ記事
 


 
 また行政事務のデジタル化に関しても、これまで議会でも取り上げてきました。
 国はデジタルファースト法案を今国会に提出予定ですが、これが地方自治体の事務改善として現場で浸透するには行政サービス利用者側の慣れも必要なので、実際には漸進的に10年程度かけて移行していくことが考えられます。
 今回、大津市では5年後に改めて支所機能のあり方を見直すということを述べていますが、それはそれで私としては納得できるものです。今後、行政サービスはどんどんデジタル化されていくと思いますので、そうした流れの中で改めて支所機能は見直されていかなければならないと考えます。
 ➡行政サービスのデジタル化に関して書いたブログ記事




 相変わらず図を用いた印象操作はすごいなぁと感嘆。
 4億円と6億円を比較したら大きさは1.5倍のはずなのに、なぜ2倍くらいに見えるのだ!?
 ・・・ともあれコスト面についてはやはり支所統廃合に依らずとも、十分に経費節減できることが実施案でも確認できていると考えます。もちろんそこで働く人(窓口の臨時職員の皆さん)の雇用確保や再就職支援は行政の責務として必要となりますが、行政サービスの効率化の観点からは、開庁時間の見直しや支所での取扱事務の見直しは為されていくものだと思います。



 ただ課題は残っています。
 一つ目は5年後の2024年以後、全ての支所の存続、職員配置の継続が続けられるかどうかということ。5年後のことはまだ想像は難しいですが、今から5年前が2014年だったことを考慮すると、技術革新や市民意識の変化が生じたとしても、そこまで大きく変わるようなことはないと思われます。大津の縁辺部にいくほど高齢化が進んでいるという状況をみると、恐らく5年後はまだ支所が必要なはずです。その時、しっかりと議論がなされるのか不安です。
 
 二つ目はコミュニティセンターの委託費です。どうやら300万円余りで“学区単位のまちづくり協議会”に対して施設管理を委託してもらおうと考えているようですが、正直な感想としてその額は安いと感じます。コミュニティビジネスが成立して副収入があれば別ですが、そこまでの自律ができるか、そもそもそこまで無理をしてコミセンの委託運営をしたいと思うかはかなり微妙です。300万円余りの受託費の中で365日の職員人件費はもちろん事務用品費などをまかなうことができるのかは判断が付きません。(草津市の状況をみるとどちらかというと難しいのではないかと思います。)
 ➡草津市のコミセン委託について書いたブログ記事
 ➡大津市の委託費やまち協運営費について書いたブログ記事

 三つ目は防災面です。支所は残り職員も全ての支所に残るということですが、支所職員が減ることで災害対応力が低下する恐れがあります。開庁時間や取扱事務が見直されることは仕方ないかもしれませんが、今回の見直しで有事の際の地域防災力が低下するようなことはあってはなりません。そのために初動支所班制度というものをここ数年、確立させようとしていますが、まだまだです。地域防災においては共助・互助・自助が必要なことは一般的に認識が広がってきていますが、公助の部分はしっかりと行政にやってもらわないといけません。来年4月(2020年4月)から見直し体制に移行する方針らしいので、本当に今回の見直しでその部分が担保されているのか、重要な論点だと感じています。



フジイテツヤ






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